記録の整理 / 更新 2026-10-19

令和8年改正対応の記録簿の項目(確認日・一次資料・見直し内容・承認者)

出典: 委員会ガイドライン通則編 別添、個人情報保護法(e-Gov)、委員会事務局の公表資料(2026-10-14まで)。記録簿の様式は本サイトの整理。2026-10-15に確認(条番号の対応と保存期間の節は2026-10-19に確認)。

ノートパソコンで資料を作成する手元

改正対応の記録簿は、「いつ、どの一次資料を確認し、何を見直し、誰が承認したか」を1行ずつ残す表です。令和8年改正は、政令・委員会規則・ガイドラインが段階的に決まっていく見込みのため、確認と見直しが何度も起きます。このページは、記録簿に持たせる項目と、書き方の注意を整理したものです。記録簿の様式を法律やガイドラインが定めているわけではなく、本サイトの整理です。

このページの範囲と、別ページとの違い個人データ取扱台帳は、データのまとまりごとに「何を・どこに・誰が持つか」を書く表です。データを追加・廃棄しない限り中身はあまり変わりません。このページの記録簿は、確認や見直しを行うたびに1行増える履歴です。台帳は「現在の状態」、記録簿は「いつ何を確認して何を変えたか」と分けると、重複せずに済みます。検討経緯の年表は、国の検討の経緯を年表にしたものです。相談前の整理シートは、弁護士や委員会に相談する前に、持参するものを整理するシートです。このページは、自社が改正対応で何を確認し、何を見直したかの記録を扱います。

1. 記録簿に持たせる項目

記録簿の項目(1回の確認・見直しにつき1行)
項目書くこと書くときの注意
確認日資料を実際に照らし直した日資料を見ていない日は書かない。本サイトも、確認日は元の資料を照らし直したときだけ更新している
確認した資料資料名、発行元(個人情報保護委員会、e-Govなど)、資料の日付、URL法律事務所の解説ではなく、一次資料を書く。PDFは資料の日付も書く
資料の段階法律本文/政令・規則(公布済み)/委員会事務局の案/検討中のどれか事務局の案や見通しを、決定として記録しない。「案」と書く
関係しうる改正項目11テーマのどれか該当性チェックで絞った結果を転記する。該当性の最終判断は記録しない
見直した文書取扱規程、委託契約、プライバシーポリシー、研修資料など見直し箇所の候補は取扱規程の見直し箇所が参考になる
見直しの内容変更前と変更後、版の番号決定前の事項で見直した場合は、決定後に再確認する旨を書く
相談の記録顧問弁護士・委員会に確認した日と、回答の保管場所回答の内容そのものを、自社の結論として一般化しない
承認承認者の役職、承認日承認した文書の版と対応させる。承認がまだ無い見直しは「承認待ち」と書く
次の確認日/契機次に確認する日、または確認する契機(政令の公布、ガイドラインの公表など)期限の暦で未定の日付は、契機で書く

項目ごとの記入例と、保存期間の考え方

次の表は、架空の雑貨通販会社「例示商事」が1回の確認で1行を書くときの記入例です。実在の事業者の記録ではなく、法令が定める様式でもありません。

記録簿の項目の記入例と保存期間(架空の事業者)
項目記入例(1行)保存期間の目安
確認日2026-10-19記録簿そのものの保存期間を定める規定は、確認した資料には書かれていない。社内の文書管理の規程で決める(本サイトは期間を示さない)
確認した資料個人情報保護委員会事務局「政令・規則の整備に向けた基本的な考え方について③」(PDF、2026-10-14)
資料の段階委員会事務局の案(政令・規則は未公布)
関係しうる改正項目オプトアウト制度(法第27条第7項)
見直した文書個人データ取扱規程 第5章(第三者提供)
見直しの内容変更なし。決定後に提供先の確認事項を再確認する旨を付記(版 v3)
相談の記録2026-10-19 顧問弁護士に確認。回答は法務部の共有フォルダ「相談原本」に保管
承認総務部長、承認待ち
次の確認日/契機政令・委員会規則の公布時

保存期間が条文で決まっているのは、記録簿ではなく第三者に個人データを提供したときの記録です。法第29条第2項は、この記録を委員会規則で定める期間保存することを求め、施行規則第21条は、提供ごとに作る記録は「最後に提供した日から3年」、一定の方法で継続的・反復的な提供をまとめて記録した場合は「最後に提供した日から1年を経過する日まで」または「3年を経過する日まで」と定めています(規則第19条の方法により区分)。提供を受ける側の記録は、法第30条第4項と施行規則第25条が同じ形で定めています。これらの記録を記録簿の「見直した文書」欄に書くときは、期間を記録簿に写さず、記録の所在だけを書くと二重管理になりません。

「関係しうる改正項目」欄に書く条の対応

次の表は、委員会事務局の改正法の概要資料に書かれた条番号を、記録簿の「関係しうる改正項目」欄に転記するときの対応です。条番号は概要資料の表記で、政令・規則の内容は多くが未確定です。

改正テーマと概要資料上の条(記録簿の転記用)
改正テーマ条(概要資料の表記)詳しいページ
統計作成等の特例第30条の2、第31条の3統計作成等の特例
本人の意思に反しないことが明らかな取扱い/生命等の保護・公衆衛生の例外第18条第3項、第20条第2項、第27条第1項目的外利用等の規律緩和
病院等による学術研究第16条第9項ほか生命等の保護・学術研究例外
16歳未満の個人情報第35条第9項・第10項、第40条の2、第58条の3こどもの個人情報
顔特徴データ等第21条の2、第27条第2項、第35条第7項・第8項顔特徴データ等
委託先への規律第30条の3、第58条の2委託先の取扱い
漏えい等の報告・本人通知第26条第2項漏えい等報告・通知
連絡可能な個人関連情報第31条の2連絡可能個人関連情報
オプトアウト制度第27条第7項オプトアウト制度の強化
勧告・命令・要請第148条、第148条の2勧告・命令等の実効性確保
罰則第178条〜第180条(2027-01-17施行)2027年1月施行の罰則
課徴金第148条の3〜第148条の17課徴金制度

2. 記入用の枠(社内の担当者が記入)

改正対応の記録簿(記入用)
確認日確認した資料と段階見直した文書と内容相談の記録承認(役職・日)次の確認日/契機

3. 現行のガイドラインが求める記録との関係

ガイドライン通則編の別添は、安全管理措置として、個人データの取扱状況を定期的に点検または監査し、安全管理措置を見直すことを挙げています(取扱状況の把握及び安全管理措置の見直し)。また、運用確認のための記録(利用・出力状況、持ち運び、削除・廃棄の状況、システムのログなど)を例に挙げています。改正対応の記録簿は、この見直しの記録の一部として使えますが、ガイドラインが改正対応の記録簿の様式を定めているわけではありません。

記録簿の項目を経営層への報告資料にどう持ち上げるかは、経営層への報告の4区分の4節にあります。

4. 記録を更新する契機

  • 政令・委員会規則が公布されたとき(公布は2027年内の見込み。月日は未定)
  • ガイドライン・Q&Aが公表されたとき(施行前の見込み。月日は未定)
  • 委員会事務局が「基本的な考え方」などの資料を新たに公表したとき(直近は2026年10月14日)
  • 2027年1月17日(罰則関係の施行日)

記録簿の項目を総務・法務・情報システムのどの部署が確認するかは、総務・法務・情シス別の確認項目表で分けて見られます。

契機の確認は決定タイムラインと更新履歴で追えます。記録簿と合わせて持つ、個人データの置き場所・預け先の一覧は個人データ取扱台帳の項目と改正の確認項目の対応にまとめています。

この記事の位置づけここに書いたのは、個人情報保護委員会などが公表した資料の整理であり、個別の事案についての法的な助言ではありません。自社への当てはまりと対応の要否は、顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

よくある質問

記録簿を作ることは、法律で義務付けられていますか。

改正対応の記録簿を作ることを義務付ける規定は、確認した資料には書かれていません。現行のガイドラインが挙げるのは、取扱状況の把握と安全管理措置の見直し、運用確認のための記録です。

記録簿には、弁護士の回答の内容も書きますか。

回答の日と保管場所を書き、回答の内容は原本で管理する形が考えられます。回答は特定の事実関係についてのものなので、他の事案に当てはめないよう注意してください。

確認日は、いつ更新しますか。

元の資料を実際に照らし直したときです。資料を見ずに日付だけ更新すると、確認していない内容に確認日が付いてしまいます。

出典