漏えい等報告の合理化との関係 / 更新 2026-10-08

認定個人情報保護団体と令和8年改正|役割と漏えい報告の速報免除の確認

出典: e-Gov法令検索の条文、個人情報保護委員会「認定個人情報保護団体」ページ、「改正法の概要」(2026-07-17)、事務局資料「政令・規則の整備に向けた基本的な考え方について②」(2026-10-01)。2026-10-04に本文を確認。

ノートパソコンで資料を作成する手元

認定個人情報保護団体(業界ごとに苦情の処理などを行う、個人情報保護委員会の認定を受けた団体)は、令和8年改正では、漏えい等の報告を軽くする仕組みの「確認する第三者」の例として名前が出てきます。確認できたのはその1点だけで、団体の制度そのものを変える記述は、読んだ資料には見当たりませんでした。

1. 認定個人情報保護団体とは(現在の制度)

個人情報保護法は全業種に同じ規律を置いています。そこで、業界や事業分野ごとの自主的な取組を支える制度として、委員会が団体を認定します。条文では、次の業務を行おうとする法人が委員会の認定を受けられます(法第47条第1項)。

  • 対象事業者(その団体の業務の対象になる事業者)の個人情報の取扱いに関する苦情の処理
  • 個人情報の適正な取扱いに役立つ事項についての、対象事業者への情報提供
  • 上の2つのほか、対象事業者の適正な取扱いの確保に必要な業務

認定は、対象にする事業の種類などを限定して受けることもできます(法第47条第2項)。苦情の申出があったときは、団体が相談に応じ、事情を調べ、対象事業者へ内容を通知して迅速な解決を求めます(法第53条第1項)。対象事業者は、団体から説明や資料の提出を求められたとき、正当な理由なく拒めません(同条第3項)。

団体は、利用目的の特定、安全管理の措置、開示等の請求に応じる手続などについて、関係者の意見を聴いて「個人情報保護指針」を作るよう努めます。作った指針は委員会へ届け出て、委員会が公表します。指針が公表されたら、団体は対象事業者に守らせるため、指導や勧告などをしなければなりません(法第54条)。

委員会の一覧ページには、令和8年4月20日現在で40団体が載っています。分野は放送、電気通信、製薬、全般など様々です。同じページのお知らせには、同年5月28日に一般社団法人資産運用業協会へ認定の通知文書を渡したことも載っています。団体数は今後も変わります。最新の団体名は委員会の一覧で確認してください。

2. 令和8年改正での扱い

確認できた関わり: 漏えい等報告の速報免除の確認主体

現在、報告が必要な漏えい等が起きた事業者は、委員会へ速報と確報の2段階で報告します(法第26条第1項)。改正法の概要の資料は、これを合理化する方向を示しています。

  • 体制・手順について、認定個人情報保護団体などの第三者の確認を受けることなどを前提に、一定の範囲で速報を免除できるようにする。
  • 漏えいした個人データの本人が1名である誤交付・誤送付のようなケースは、確報を一定期間ごとに取りまとめて行えるようにする。

詳しくは、漏えい等報告・本人通知の緩和と漏えい等報告の規則の論点のページで整理しています。

まだ決まっていないこと委員会事務局が2026年10月1日に示した資料は、確認の対象にする体制・手順の例として、責任者が置かれていること、漏えい等の発生や兆候を知ったとき速やかに事実関係を把握し、再発防止策と必要な本人通知を行う手順が整っていることを挙げています。確認する第三者の範囲については、「認定個人情報保護団体が確認主体となることでよいか」と問い、ほかに確認できる第三者として何が考えられるかも尋ねています。いずれも規則の案を作る前の論点であり、決定ではありません。確認の具体的な方法や、団体が確認を引き受けるかどうかも、公表資料からは分かりません。
認定個人情報保護団体まわりの現行と改正後の整理(確認日 2026-10-14。出典は本文末の出典欄)
項目 現行 令和8年改正で確認できること 未確定
団体の認定・業務 委員会の認定を受けた法人が、苦情の処理や情報提供などを行う(法第47条第1項)。 認定の要件や業務を変える記述は、読んだ資料に見当たらない。 今後の資料で変わる可能性は、現時点では確認できない。
漏えい等の速報 報告が必要な場合は、速報と確報の2段階で委員会へ報告する(法第26条第1項)。 体制・手順について認定団体などの第三者の確認を受けることなどを前提に、一定の範囲で速報を免除する方向。 確認する第三者の範囲、確認の方法、団体が確認を引き受けるかどうか。2026-10-01の資料は論点として尋ねている段階。
対象事業者に関係しうる点 対象事業者は、保有個人データについて本人が知り得る状態に置く事項に、団体の名称と苦情の申出先を含める(施行令第10条)。 この点を変える記述は確認できていない。 加盟団体が確認を行うかは、規則とガイドラインが出るまで分からない。

表は一般的な整理です。自社が対象になるかの判断は、顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

確認できなかったこと

改正法の概要、政令・規則等の全体像、16歳未満の読替表の3つの資料で「認定個人情報保護団体」の語を探したところ、出てくるのは概要の漏えい報告の図の1か所だけでした。条文を読み替える表や、政令・規則で定める事項の一覧には出てきません。団体の認定の要件や業務を改正で変える記述は、確認できていません。

3. 事業者が確かめておくこと

  1. 自社が認定団体の対象事業者かどうかを確認する。対象事業者なら、保有個人データについて本人が知り得る状態に置く事項に、団体の名称と苦情の申出先を含めることが、現行の施行令第10条で定められています(2026-10-01の事務局資料の参考部分で確認)。ポリシーの記載はプライバシーポリシーの確認箇所で整理しています。
  2. 加盟している団体が、漏えい等報告の合理化で体制・手順の確認を行うかどうかは、規則とガイドラインが出るまで分かりません。団体の発表を確認する。
  3. 加盟団体がない場合は、体制・手順を確認する第三者の範囲が決まってから、確認を受ける先を考える。範囲が決まる前に、特定の団体への加盟を決める必要はありません。
  4. 施行日は、本体部分について「公布の日から起算して2年を超えない範囲内で政令で定める日」とされです。

この改正法は個人情報保護法のほか、番号法と医療情報法も本文で改正しています。全体の構成は改正法が改正する個人情報保護法以外の法律で確認できます。

この記事の位置づけここに書いたのは、法令の条文と個人情報保護委員会の公表資料の整理であり、個別の事案についての法的な助言ではありません。団体への加盟や、自社の報告義務の判断は、顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

よくある質問

令和8年改正で、認定個人情報保護団体の制度は変わりますか。

確認できた範囲では、団体の認定の要件や業務を変える記述は見当たりませんでした。改正法の概要、政令・規則等の全体像、16歳未満の読替表の3つの資料で「認定個人情報保護団体」の語が出てくるのは、概要の漏えい報告の図の1か所だけです。

漏えい等の速報の免除で、認定個人情報保護団体が確認することは決まっていますか。

決まっていません。改正法の概要は、体制・手順について認定個人情報保護団体などの第三者の確認を受けることなどを前提に、一定の範囲で速報を免除できるようにする方向を示しています。2026年10月1日の事務局資料は、「認定個人情報保護団体が確認主体となることでよいか」と問い、ほかに確認できる第三者も尋ねています。いずれも規則の案を作る前の論点です。

団体に加盟していない場合は、今から加盟を決める必要がありますか。

確認する第三者の範囲は、規則とガイドラインが出るまで分かりません。このページでは、範囲が決まる前に特定の団体への加盟を決める必要はない、と整理しています。加盟の判断や自社の報告義務については、顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

すでに認定団体の対象事業者である場合に、現行制度で確認することはありますか。

現行の施行令第10条は、保有個人データについて本人が知り得る状態に置く事項に、団体の名称と苦情の申出先を含めることを定めています(2026年10月1日の事務局資料の参考部分で確認)。ポリシーへの記載は、プライバシーポリシーの確認箇所のページで整理しています。

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