リスクに適切に対応した規律 / 更新 2026-09-21

16歳未満の読替表: どの条文で「本人」が「法定代理人」になるか

出典: 個人情報保護委員会事務局「読替表(16歳未満の者の個人情報等の取扱いの規定関係)」(2026-09-16)。2026-09-21に本文を確認。

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本人が16歳未満のとき、同意を取る相手や通知する相手が、どの条文で本人から「本人の法定代理人」に変わるのか。委員会事務局が2026年9月16日に公表した読替表を、条文の順に一覧にしました。読替えの仕組みと全体の位置づけはこどもの個人情報(16歳未満)の記事にあります。

このページの結論(3行) ① 本人が16歳未満のとき、同意を取る・通知する・明示する相手は、読替表のとおり多くの条文で「本人」から「本人の法定代理人」に変わります(民間事業者は法第40条の2第1項)。
② 同じ読替えが、個人関連情報の第三者提供の制限(法第31条第1項。読替えは同条第2項)と、行政機関等(法第71条の3)にもあります。
③ このページは「どの条文が読み替わるか」の一覧です。16歳未満の規律の全体像と利用停止等請求はこどもの個人情報(16歳未満)にあります。読替え後の規定に委ねられた政令・規則の内容は未確定です。

1. 読替表とは

改正法は、本人が16歳未満の場合について、同意取得や通知等の規定の「本人」を「本人の法定代理人」に読み替えて適用すると定めます(法第40条の2第1項)。個人関連情報の第三者提供の制限(法第31条第1項)は同条第2項で読み替えます。行政機関等については法第71条の3で読み替えます。読替表は、読替え後と読替え前の条文を並べて、どの語がどう変わるかを示した資料です。

読替えの多くは「本人」が「本人の法定代理人」になるだけです。次の2の表は、読替え前と読替え後の変化がその形でない箇所には、その旨を書き添えています。

2. 民間事業者に関する読替え(法第40条の2第1項)

読替え前は本人に対して行う(本人から得る)ものが、16歳未満の本人については、本人の法定代理人に対して行う(本人の法定代理人から得る)ものになります。

法第40条の2第1項による読替え(読替表の第18条から第35条第7項まで)
条文何についての規定か読替えの内容
法第18条第1項・第2項目的外利用(利用目的の達成に必要な範囲を超える取扱い)の同意。第2項は事業承継に伴って取得した場合本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第18条第3項第2号〜第4号目的外利用の同意が不要な場合のうち、生命等の保護、公衆衛生の向上・児童の健全な育成、国の機関等への協力の各場合の、同意を得る相手本人の同意 → 本人の法定代理人の同意(「同意を得ることが困難」などの判断の相手方が法定代理人になる)
法第18条第3項第7号契約の履行のために必要やむを得ない場合その他、取得の状況からみて権利利益を害しないことが明らかな場合(委員会規則で定める)「取得の状況からみて本人の意思に反しないため本人の権利利益を害しない」 → 「取得の状況からみて本人の権利利益を害しない」(相手方の置換ではなく、「意思に反しないため」の部分が外れる)
法第20条第2項要配慮個人情報の取得の同意。第2号〜第4号は上の法第18条第3項第2号〜第4号と同じ形本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第20条第2項第7号要配慮個人情報の取得で、契約の履行のために必要やむを得ない場合その他、取得の状況からみて権利利益を害しないことが明らかな場合法第18条第3項第7号と同じ読替え(「意思に反しないため」の部分が外れる)
法第20条第2項第9号要配慮個人情報が公開されている場合の、公開した者の範囲「本人、国の機関、…」 → 「本人の法定代理人、国の機関、…」
法第21条第1項個人情報を取得したときの利用目的の通知・公表本人に通知 → 本人の法定代理人に通知
法第21条第2項本人から直接書面(電磁的記録を含む)で個人情報を取得する場合の利用目的の明示本人に対し明示 → 本人の法定代理人に対し明示
法第21条第3項利用目的を変更した場合の通知・公表本人に通知 → 本人の法定代理人に通知
法第21条第4項第1号〜第3号利用目的の通知・公表等が不要となる場合(通知等により権利利益を害するおそれがある場合など)「本人に通知し、又は公表することにより」 → 「本人の法定代理人に通知し、又は公表することにより」
法第21条の2第1項柱書特定生体個人情報(顔特徴データ等)を取り扱うときの事前の通知等本人に通知し、本人が容易に知り得る状態に置く → 本人の法定代理人に通知し、本人の法定代理人が容易に知り得る状態に置く
法第26条第2項漏えい等が生じたときの本人への通知(ただし書の、通知が困難な場合を含む)本人に対し通知 → 本人の法定代理人に対し通知
法第27条第1項個人データの第三者提供の同意。第2号〜第4号は法第18条第3項第2号〜第4号と同じ形本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第27条第1項第8号第三者提供で、契約の履行のために必要やむを得ない場合その他、取得の状況からみて権利利益を害しないことが明らかな場合法第18条第3項第7号と同じ読替え(「意思に反しないため」の部分が外れる)
法第27条第2項オプトアウト(本人の求めに応じて第三者提供を停止する旨の事前通知等と届出)通知等の相手は本人 → 本人の法定代理人。提供の停止を求める者と、求めを受け付ける方法の相手は、本人 → 本人又はその法定代理人(同項第6号・第7号)
法第27条第3項オプトアウトの通知事項を変更するときの通知等本人 → 本人の法定代理人
法第27条第5項第3号共同利用の場合の通知等本人に通知等 → 本人の法定代理人に通知等
法第27条第6項共同利用の責任者・利用目的等を変更するときの通知等本人 → 本人の法定代理人
法第27条第7項ただし書第三者提供時の確認義務が不要となる、公開されていた個人データの公開主体「本人、国の機関、…」 → 「本人の法定代理人、国の機関、…」
法第28条第1項外国にある第三者への提供を認める旨の同意本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第28条第2項外国にある第三者への提供の同意を得るときの、参考情報の提供先本人 → 本人の法定代理人
法第28条第3項外国にある第三者に提供した後の、必要な措置に関する情報の提供求めるのも提供先も、本人 → 本人又はその法定代理人
法第30条の2第1項統計作成等のために、公開されている要配慮個人情報を同意なく取得する場合の、同意の相手本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第30条の2第5項統計作成等の目的で、個人情報を第三者に提供する場合の、同意の相手本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第32条第1項保有個人データに関する事項を、知り得る状態に置く相手(求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む)本人 → 本人の法定代理人(求めも法定代理人の求め)
法第35条第7項特定生体個人情報の利用停止等請求ができない場合のうち、本人の同意を得て作成・取得した場合(第1号・第2号)本人の同意 → 本人の法定代理人の同意。同項第9号(契約の履行等、権利利益を害しないことが明らかな場合)は法第18条第3項第7号と同じ読替え

3. 個人関連情報に関する読替え(法第40条の2第2項)

提供先が個人関連情報を個人データとして取得すると想定されるときは、提供する側が確認すべき事項があります(法第31条第1項)。この確認事項を、次のとおり読み替えます。

法第40条の2第2項による法第31条第1項の読替え
条文何についての規定か読替えの内容
法第31条第1項第1号提供先が個人データとして取得することを認める旨の、本人の同意が得られていること本人の同意 → 本人の法定代理人の同意
法第31条第1項第2号外国にある第三者への提供で、同意を得ようとするときの参考情報の提供先本人 → 本人の法定代理人

4. 行政機関等に関する読替え(法第71条の3)

行政機関等についても、16歳未満の本人に代わって法定代理人が手続に関わるよう、同様の読替えが置かれます。民間事業者には直接かかりませんが、読替表の一部なので載せます。

法第71条の3による読替え
条文何についての規定か読替えの内容
法第62条本人から直接書面で個人情報を取得するときの、利用目的の明示(明示が不要となる第2号・第3号を含む)本人に対し明示 → 本人の法定代理人に対し明示
法第68条第2項漏えい等が生じたときの本人への通知(ただし書の、通知が困難な場合を含む)本人に対し通知 → 本人の法定代理人に対し通知
法第69条第2項第1号利用目的以外の目的での自らの利用・提供ができる場合(同意があるとき、本人に提供するとき)本人の同意 → 本人の法定代理人の同意。本人に提供するとき → 本人又はその法定代理人に提供するとき
法第71条外国にある第三者への利用目的以外の提供の同意、参考情報の提供先、措置に関する情報の提供同意・提供先は本人 → 本人の法定代理人。措置に関する情報は、求めるのも提供先も本人又はその法定代理人

5. この一覧に載っていないこと

まだ決まっていないこと読替表は、読替え後と読替え前の条文を並べたものです。次の点は、この資料からは決まっていません。
① 読替えが適用されない場合の判断基準。2026年9月16日の「基本的な考え方について①」は、読替えの例外(法第40条の2第1項各号・第2項各号)として、16歳未満であることを事業者が知らないことについて正当な理由がある場合、法定代理人が本人の営業を許可しており事業者が当該営業に関して取得した場合、本人に法定代理人がない場合またはないと信ずるに足りる相当な理由がある場合を挙げています。「正当な理由」「相当な理由」が具体的にどのような場合を指すかは、この時点の資料では示されておらず、規則やガイドライン等で示されるかどうかも含めて未確定です。
② 読替え後の規定に置かれた政令・規則への委任事項。資料は、必要に応じて整備するとしています。たとえば「取得の状況からみて本人の権利利益を害しないことが明らかである場合」(法第18条第3項第7号など)の中身は、同じ資料が論点として示した段階で、決定していません(目的外利用等の規律緩和、こどもの個人情報)。
③ 16歳未満の本人の利用停止等請求(法第35条第9項)は、読替表に含まれていません。法律が直接置いている規定で、例外事由のうち規則・政令に委ねられた部分はこどもの個人情報の記事のとおり未確定です。

6. 自社が該当するかを考える順序

  1. 16歳未満の本人から、同意を得る場面・利用目的を通知する場面・漏えい等を通知する場面・第三者へ提供する場面を洗い出す。
  2. それぞれの場面が、上の表のどの条文にあたるかを確認する。同意や通知の相手が、現在の運用では本人になっていないか。
  3. 法定代理人へ同意や通知をする方法(保護者確認、保護者の連絡先の取得など)と、本人が16歳未満かどうかを確認する方法があるかを書き出す。
  4. 読替えの例外や、読替え後の規定の規則が示された時点で、洗い出した場面をもう一度見直す。
この記事の位置づけここに書いたのは、個人情報保護委員会が公表した読替表の整理であり、個別の事案についての法的な助言ではありません。表の要約は読みやすさのために文言を縮めています。条文の文言の正確な内容は、出典の読替表でご確認ください。自社の取扱いが規律の対象に当たるかの最終的な判断は、顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

よくある質問

16歳未満の本人に同意を取るとき、相手は誰になりますか

読替表では、目的外利用の同意(法第18条)や要配慮個人情報の取得の同意(法第20条第2項)などで、「本人の同意」が「本人の法定代理人の同意」に読み替えられます(法第40条の2第1項)。条文ごとの内容は上の「2. 民間事業者に関する読替え」の表で確認できます。

読替えが適用されない場合はありますか

2026年9月16日の資料は、例外として、16歳未満であることを事業者が知らないことについて正当な理由がある場合、法定代理人が本人の営業を許可しており事業者が当該営業に関して取得した場合、本人に法定代理人がない場合またはないと信ずるに足りる相当な理由がある場合を挙げています。「正当な理由」「相当な理由」の具体的な中身は、この時点の資料では示されておらず未確定です。

16歳未満の本人の利用停止等請求は、この表に載っていますか

載っていません。法第35条第9項は読替表に含まれず、法律が直接置いている規定です。例外事由のうち規則・政令に委ねられた部分は未確定で、こどもの個人情報に整理しています。自社の取扱いが対象に当たるかの判断は、顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

読替表を見たあと、次に何を確認すればよいですか

16歳未満の本人から同意を得る場面や通知する場面を洗い出し、上の表のどの条文にあたるかを確かめる順序が、「6. 自社が該当するかを考える順序」にあります。関係しうる改正項目の絞り込みは該当性チェック、規則待ちの事項はまだ決まっていないこと一覧で追えます。

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