業種別の確認 / 更新 2026-10-19

人材紹介・人材派遣事業者が先に確認する改正3項目と現在の状態

出典: 改正法本文(令和8年法律第56号)、個人情報保護委員会事務局「政令・規則等で定める事項の全体像」(2026-08-26)。各項目の状態は、このサイトの既存ページが一次資料で確認した内容で、新しい事実や法的解釈は加えていません。2026-10-08に確認。

ノートパソコンで資料を作成する手元

求職者・登録スタッフの氏名・経歴・連絡先を多く保有し、適性検査などを外部に委託することも多い人材紹介・人材派遣事業者が、先に読む3項目です。3項目とも、法律には枠組みが定まっていますが、細部は政令や委員会規則で決まる予定で、2026-10-08時点で公布されたものはありません。

このページの範囲業種ごとに関係しうるテーマの一般的な傾向を整理したもので、自社が対象になるかの判定ではありません。許認可や業法上の義務はここでは扱いません。自社が対象になるかは該当性チェックで、個別の対応は顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

1. 3項目の現在の状態

確認項目法律に定まったことまだ決まっていないことくわしく
課徴金制度違反行為に係る本人の数が千人を超えないときは、課徴金の納付を命ずることができない(法第148条の3)課徴金額の算定方法、権利利益を害する程度が大きくない場合の範囲(政令)。推計方法や減額のための報告の方法(委員会規則)課徴金制度
委託先における個人データ等の適正な取扱い委託を受けた事業者の義務の見直し。義務の免除には、委託契約で定める事項と契約の方法が前提になる(法第58条の2)委託契約で定める事項と契約の方法(委員会規則)委託先の取扱い
漏えい等報告・本人通知義務の緩和本人への通知がなくても本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合は、通知義務を緩和(法第26条第2項)本人通知が緩和される場合の具体的範囲、速報免除・確報取りまとめの要件(委員会規則)漏えい等報告・通知

2. 事業の実態に引き寄せた読み方

  1. 登録者・求職者の数: 課徴金には「本人の数が千人を超えないとき」の除外があります。保有する個人データの本人の数を数えておくと、このテーマを読むときの出発点になります。数え方や該当の判断は、このページでは行いません。
  2. 外部への委託: 適性検査、バックグラウンドチェック、給与計算などを委託している場合は、委託先の取扱いのページを先に読んでください。契約で定める事項は未定のため、現行の契約の棚卸しだけを先に進める使い方になります。
  3. 漏えい等が起きたときの連絡: 登録者データの件数が多いほど、報告・本人通知の負担が大きくなります。緩和される範囲は規則待ちのため、決まるまでは現行の手順を前提にしてください。

名簿やリストを第三者に提供している場合はオプトアウト制度の強化、16歳未満の求職者・応募者を扱う場合はこどもの個人情報も、あわせて確認してください。全業種の早見表は業種別の入口にあります。

3. 紹介・派遣・求人媒体の場面別に関わりうる項目

同じ「人材」の事業でも、持っている情報と、それを誰に渡すかは場面で変わります。次の表は、場面ごとに関わりうる改正の項目を、一般的な条件の形で並べたものです。自社が対象になるかの判定ではなく、どのページを先に読むかの目安です。

場面持っている情報と渡す先関わりうる項目決まっていること/未確定
人材紹介(求職者を求人企業に引き合わせる)求職者の氏名・経歴・連絡先・希望条件。求人企業へ書類や推薦の形で渡す委託先の取扱い(適性検査やリファレンスチェックを外部に任せる場合)、漏えい等報告・本人通知(求職者書類の誤送信など)委託先の監督は現行法第25条に定めがあります。改正で見直される委託先の義務の免除に必要な契約の定めは、委員会規則で決まる予定で未確定です。
人材派遣(登録スタッフを派遣先に就業させる)登録スタッフの氏名・連絡先・経歴・就業の履歴。派遣先に就業の調整のため渡す課徴金制度(登録者が多い場合の本人の数の要件)、委託先の取扱い(給与計算などの外部委託)課徴金は、本人の数が千人を超えないときは納付を命ずることができないと法第148条の3に定まっています。額の算定方法などは政令・規則で未確定です。
求人媒体・転職サイト(求職者が登録し、企業が応募やスカウトを受ける)会員のメールアドレス・職務経歴・閲覧や応募の記録。応募やスカウトの形で企業に渡す連絡可能個人関連情報(氏名と結び付けずに持つ連絡先や閲覧の記録を渡す場合)、委託先の取扱い(配信や分析の外部委託)提供先で個人データとして取得されることが想定されるときの確認は、現行の法第31条第1項に定めがあります。改正で連絡可能個人関連情報の不適正な利用と不正な取得が禁止されますが、規則で定める内容は未確定です。

求職者の名簿やリストを第三者に提供している場合はオプトアウト制度の強化、16歳未満の応募者を扱う場合はこどもの個人情報も関わりえます。求職者への同意の取り方、企業へ渡す情報が委託か第三者提供か、職業安定法など個人情報保護法以外の定めとの関係は、事業の設計や契約で変わるため、このサイトでは判断しません。顧問弁護士または個人情報保護委員会にご確認ください。

4. 求職者情報の流れごとの確認点(職業安定法・派遣法の定めとの並べ方)

求職者・登録スタッフの情報は、取得、紹介先や派遣先への提供、保管の順に流れます。各段階で、個人情報保護法のほかに職業安定法や労働者派遣法にも個人情報の取扱いの定めがあります。次の表は、定めの所在と、今回の改正で動く項目を並べた確認用で、自社の対応が適法かどうかの判定ではありません。

流れ業法に定めがあること今回の改正で関わりうる項目先に見ておく点
取得(登録・応募の受付)職業紹介事業者や求人者などは、求職者等の個人情報を、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集します。本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は例外です(職業安定法第5条の5第1項)。派遣元事業主にも、業務の目的の達成に必要な範囲内での収集・保管・使用の定めがあります(労働者派遣法第24条の3第1項)。取得の場面を直接変える項目は、このページの3項目にはありません。16歳未満の応募者を扱う場合はこどもの個人情報が別に関わりえます。登録フォームや応募画面で示している利用目的が、実際の使い方と合っているか。
紹介先・派遣先・外部への提供職業紹介事業者等と従業者は、業務上知り得た人の秘密を、正当な理由なく漏らしてはならず、個人情報も、みだりに他人に知らせてはなりません(職業安定法第51条)。派遣元事業主にも秘密を守る義務の定めがあります(労働者派遣法第24条の4)。適性検査などを外部に委託する場合は委託先の取扱い。名簿を第三者に提供する場合はオプトアウト制度の強化。求人企業や派遣先に渡す情報の範囲と、委託として渡しているのか第三者への提供として渡しているのかの整理。
保管・管理職業紹介事業者等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じます(職業安定法第5条の5第2項)。派遣元事業主にも同様の定めがあります(労働者派遣法第24条の3第2項)。漏えい等が起きたときの報告・本人通知。登録者が多い場合の課徴金制度の本人の数の要件。保管している登録者の人数の把握と、漏えい等が起きたときの連絡手順の有無。

業法の定めは、許可や届出の基準、厚生労働省の指針、厚生労働省令とあわせて読む必要があり、事業の種類(有料職業紹介、無料職業紹介、労働者派遣、募集情報等提供など)で適用が変わります。このサイトは、条文の所在を示すにとどめ、自社にどの定めが当たるかや、対応の適否は判断しません。顧問弁護士、または所管の労働局にご確認ください。

この節の条文(職業安定法第5条の5・第51条、労働者派遣法第24条の3・第24条の4)は、e-Gov法令検索の現行条文で2026-10-19に確認しました。

5. 関連する業種別の入口と質問からの探し方

人材に関わる事業は、扱う場面ごとに別の節で整理しています。自社に近い場面の節を開くと、その場面で先に読むテーマが3つ並んでいます。

「何から読めばよいか分からない」ときは、質問から解説ページを探すで、知りたいことの言葉から該当ページに入れます。決まっていないことだけを見たいときはまだ決まっていないこと一覧が早道です。

この節の条文(法第25条・第31条)は、e-Gov法令検索の現行条文で2026-10-14に確認しました。

よくある質問

登録者が1,000人に満たない事業者は、課徴金の対象外ですか。

改正法は、違反行為に係る個人情報・個人データの本人の数が千人を超えないときは、課徴金の納付を命ずることができないと定めています(法第148条の3)。このほかにも、権利利益を害する程度が大きくない場合として政令で定める場合は納付を命ずることができず、その範囲は政令でまだ決まっていません。自社の事案がどうなるかの判断は、このページでは行いません。

適性検査やバックグラウンドチェックを外部に委託している場合は、何を見ればよいですか。

委託先に対する義務の見直しが、改正の項目に入っています。委託先の義務の免除の前提として委託契約で定める事項と契約の方法は、委員会規則で定める事項とされ、2026-10-02時点で内容は決まっていません。

施行はいつですか。

確定しているのは、罰則に関する一部の規定の2027-01-17だけです。課徴金・委託先・漏えい等報告を含む本体部分は、公布から2年を超えない範囲内で政令が定める日で、日付は未定です。

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